心を殺すか、心を守るか
先日、営業から仕事の話があった。
話を聞くと、"半年前に公開したアプリ"とほぼ似た内容で、どうも顧客側の品管を担当している部長とゴルフをしている時に、
顧客:「どうもアプリ開発のプロジェクトの進捗状況が芳しくないのだが、
こちらでは判断ができないんだよ」
営業:「うちの会社で似たようなアプリ開発の経験がありますよ」
顧客:「じゃあ今度話だけでも聞いて貰えないか?」
というような流れだったらしい。
”半年前に公開したアプリ”というのが、自分としてはかなり問題がある状態だったので、かなりのトラウマだったのだが、プロジェクトの初期(要件定義段階)から関われるのであれば、別の結果を産めるのかな?という興味本位と、話を聞くだけならと行ったのだが、・・・これが失敗だった
”半年前に公開したアプリ”というのは、
会社的にはかなり評価されているが、個人的には…いや現場で開発に携わっていたメンバ全員、失敗プロジェクトだったと思っている。
ちなみにスマホアプリである。
会社的に評価されているのは以下の点だ
・予算内に収まり利益を出している
(顧客側の想定は大きく超えているようだったが、あくまで私の会社内である)
・開発途中に品質へのクレームがあったものの解決している
・スケジュールは超過したがアプリは公開され、改善しながら配信を続けている
こう書くと、
困難はあったものの目的を果たしているし、何の問題もない仕事などない。むしろ結果だけを見れば大成功じゃないか。終わりよければ全て良しだよ。
と思われるかもしれない。
というのも、社内はそういう評価であり、私が不満をぶつければ、皆労ってくれた上で軽く流してしまう。
じゃあ何が問題なのか?というと、
わかりやすいのは、開発のピーク時にいた35名程のメンバは、私も含め現在は誰一人残っていない。
アプリ公開に伴い、解散となったのではなく、保守は続いており、2次、3次フェーズも予定されている。
このプロジェクトの詳細は別の機会に書こうと思うが、言いたいのは誰一人残りたいと思えないようなプロジェクトなのに、対外的には問題ないように見えるところだと思って貰いたい。
(上手く伝わらないかな・・・)
最初の話に戻ると、営業と一緒にヒアリングした結果、私の中では完全にこのプロジェクトと同じ運命を辿っていると感じた。
ヒアリングした内容は以下だ
・アプリ開発を請負った元請の会社がヒアリング先
・元請会社はサーバサイドを担当
・クライアントサイドはグループ会社に発注
・要件定義、設計が終わり、開発に着手したものの、クライアントサイド担当の
会社がスケジュール通りに進められないことを理由に撤退
・アプリ開発を進めてくれるベンダを探している
元請の言い分としては「設計は出来ている。開発を進めてくれるベンダが見つかれば問題なく進められるはずだ」という感じだった。
正直「そんなはずはないだろ」と同時に「クライアントサイドを担当していた会社は幸せだな」と思った。
「逃げただけだろ。そんなやつらは捨てておけ。」と言う人もいたが、私はそれでいいと思う。無理にプロジェクトを進める必要はない。無理に進めた結果は得られるのは、売上と、もしかしたら利益と、さらなる仕事と、心のバランスを上下に崩した人間だけなのだ。
流石に資料を洗いざらい見せてもらった訳ではなく、ちょっと話を聞いただけなので、その場は現在作成済みの設計書などを送付いただくように依頼し、一度社内に戻ることにした。
幸いなことに出てきた顧客側の担当者も
「急なお願いなのは承知していますし、体制が作れないのであれば断っていただいても構わない。」
と言ってくれた。
が、この後からがひどかった。
ヒアリングに行ったと言っても私は現状で何も案件を持っていない訳ではなく、5名程のプロジェクト1つと、月に5人日程の作業が発生するプロジェクト2つの、計3プロジェクトを担当している。
翌日の日中、営業から電話があった
先方の(品管担当の)部長から「メールでのやり取りなど悠長なことをしている状況ではないはずだ、電話でもなんでもして早く共有しろ!!」と言われた、今から電話番号を送るから電話しておいて
※ちなみにこの部長は上記のヒアリングでは出てこなかった
意味がわからなかった。まだ資料も何も貰ってない。
そもそも、まだ契約もしていないのに、顧客からの要求を技術に丸投げする営業にまず憤慨した。
直ぐに電話でやり取りする余裕もなく、夜になって前日話をした担当者から設計資料の一部が送付された。
内容を見て愕然とした、「こりゃ設計資料だけ見てもちゃんとしたモノは出来上がらないな・・」と思った。
届いた資料は一通りの画面イメージ(画像)と、共通部品と呼ばれる設計書だったので、作り始めればモックアップは出来上がると思われるが、中身はスカスカになるだろう。
ただし、これはあくまで設計資料のみで進めた場合で、顧客と近い場所でかなりの頻度で仕様を確認できる状況か、業務知識とスマホアプリ開発の経験が豊富なメンバが集まりそのメンバで自由に開発ができれば、要求するスケジュール通りに進めることは可能だと思った。
ただ、私は前述の通り現状で担当している案件があり、関われても週1日程度である。この事を、営業と直属の部長および本部長に伝え、さらに以下を付け加えて伝えた。
「現状では理想的な要員は集められると思えない。また、会社としては懇意にしている客だとしても、我々(私の所属している部署)は現状で義理も負い目もないので無理に受ける必要はない。」
後日、部長と本部長が顧客へ直接ヒアリングし、さらに作成した提案書を送ってきたのだが、愕然とした。
(私は再度のヒアリングには同行したが、提案書を書く気はさらさらなかった)
私の忠告は完全に無視で、出来上がるまでに必要なスケジュール、工数、要員計画、費用を明確に記載しており(再見積りポイントをおいてはいたが)、完全に「あれ?作れちゃうの?」という内容に加え、アサイン予定の要員計画を見ると、概ね月々以下の計画だった。
本部長:0.1人月(PM)
部長 :0.5人月(PL)
私 :0.1人月(プロジェクトサポート)
業務知識もアプリ開発経験もない人達:12人月
(本部長、部長も業務知識ないです)
(ヾノ・∀・`)ムリムリ無理無理無理無理無理無理むりむりむりむりむりむりむrー
プロジェクトサポートってなんだ!?何させられるんだよ!
PLが0.5って・・・片手間か!!
正直、禿げそうになった。むしろ禿げたかもしれない。
もちろん、提案書内容にクレームをつけ、最終的にはPLであらせられる部長を1.0人月まで引き上げたが、私を外す選択は受け入れられなかった。
しかもこの部長が最悪で、私がいない時に私の案件に関わっている人達へ
「〇〇がいなくてもなんとかプロジェクト回るよね?」(〇〇は私の名前)
と言っていたり、役員が出席する会議の場で、「この提案大丈夫なのか?」と言う問いに
「〇〇が入るので大丈夫です。」
と答えていたりと、まあ人のいないところで言いたい放題・やりたい放題だ。
(私は社内に味方が多いのでほぼ筒抜けなのだ)
当の本人には詰め寄っても「すまん。すまん。」みたいな感じで、明らかに受注後、逃げる気満々である。
最終的には失注となったのだが、この一件がきっかけで私は今までの社会人生活を振り返ることになった。
この出来事は2ヶ月前の事だったが、ここ2ヶ月毎日葛藤していた。
心を殺し、会社に残るべきか?
心を守り、すぐにでも会社を辞めるべきか?
結論としては、このまま「会社に残り続ける気はない」事を固く決めたのと、次の仕事なり方向性なりを決めるまでは、給料を貰いながら自分がやりたいと思う事のみを選択し続ける事を決め、会社に残りつつも今は頭がスッキリしている。
勿論、無理やり従わせようと会社が動くようなら即退職をするつもりだ。
最後に、うちの部長はきっと「コミュニティ・クラッシャー」なのだと思う。
・・・完全に書き忘れていた気がするが、冒頭に書いているトラウマな半年前のアプリ開発は、コミュニティ・クラッシャーな部長がPLを務め、私はメンバとして携わっていた。
今の会社に所属している事が嫌になった
勢いで辞表も書いてはみたが、ふと「辞めた後、どうするか?」を、
何も考えていない事に気づいた。
他の会社に所属したいとは思わない
独立やフリーランスとなるための、売れる技術を持っているかわからない
(やってみるというのもアリだとは思うが・・)
等、色々と葛藤はあったが、ひとまず今の会社に所属したまま、
自分の考えをまとめるために、ブログを書いてみようと思います。